Googleスプレッドシートで「やりたい処理は決まっているけれど、どの関数を使えばよいのかわからない」と迷うことはありませんか。
ChatGPTには、セルの配置や条件を日本語で伝えるだけで、関数の候補を作ってもらえます。関数名を一つずつ調べる前に、まず実現したいことを相談できるのが便利な点です。
ただし、返ってきた関数が自分の表に合うとは限りません。ChatGPTの回答は完成品ではなく候補として受け取り、テスト用の行で確認してから使うことが大切です。
この記事では、外部の拡張機能やAPIを使わず、通常のChatGPTとの会話でGoogleスプレッドシート関数を作る方法を解説します。実際に記事管理表で使っている営業日計算の例をもとに、質問の組み立て方と確認手順まで紹介します。

取得資格
- SEO検定1級
- SEOマーケティングアドバイザー
2020年からブログを始めて、エンタメ系のジャンルは約1年で月間10,000PVほど。2021年にWebライターとして独立しSEOメディア運用ディレクターとして現在も活動中。田舎に戻りHP製作やSNS運用マーケティング支援なども対応。
ChatGPTでスプレッドシート関数は作れる

「ChatGPTをスプレッドシートで使う」といっても、現在は複数の方法があります。検索時に混同しやすいため、最初に違いを整理しておきましょう。
| 方法 | できること | この記事で扱うか |
|---|---|---|
| ChatGPTに質問する | 列構成と条件を伝え、IF・SUMIFS・FILTER・WORKDAYなどの通常関数を作ってもらう | 主に扱う |
| ファイルをアップロードする | XLSX・XLS・CSVなどを読み込み、表の分析や整理を依頼する | 補足として扱う |
| シート内のAI機能を使う | ChatGPT for Google SheetsやGoogleのAI関数をシート内で使う | 別の方法として紹介 |
OpenAIの公式ヘルプでは、ChatGPTはXLS・XLSX・CSVなどの表計算ファイルを分析できると案内されています。表全体の傾向を見たい場合はファイルを渡す方法もありますが、関数を一つ作るだけなら、実ファイルを渡さなくても相談できます。OpenAI「Data analysis with ChatGPT」
また、OpenAIはExcel・Google Sheetsの中で使える公式のサイドバー機能も提供しています。利用できるプランや管理者設定を確認したうえで導入すれば、既存シートを見ながら数式の作成や修正を依頼できます。OpenAI「ChatGPT for Excel and Google Sheets」
一方、Googleスプレッドシートの `=AI()` はGeminiを使うGoogle側の機能です。本記事で扱う「ChatGPTに通常の関数を作ってもらう方法」とは別物です。
ChatGPTに聞く前に整理する3つの情報

良い関数を返してもらうには、関数名よりも表の状況を正確に伝えることが重要です。少なくとも、次の3点を整理しましょう。
- どのセルに何が入っているか
- どの結果を返したいか
- 例外条件と空欄時の扱い
どのセルに何が入っているか
「日付を計算したい」だけでは、ChatGPTは参照する列を判断できません。「B列に開始日、C列に必要な営業日数、D列に期限を表示したい」のように、列記号と内容をセットで伝えます。
別シートを参照する場合は、シート名と範囲も必要です。たとえば「祝日シートのA2:Aに休日一覧がある」と書けば、休日を除く関数を提案しやすくなります。
どの結果を返したいか
「集計したい」ではなく、「担当者が佐藤で、ステータスが完了の売上だけを合計したい」のように、結果が一つに決まる言い方にします。
可能であれば、入力例と期待する答えを一つ添えましょう。ChatGPTにとっては正解条件が明確になり、自分にとっても後のテストに使えます。
例外条件と空欄時の扱い
業務用の表では、通常時よりも例外時の指定が重要です。「開始日が空欄ならD列も空欄」「エラー時に0を表示しない」「土日と祝日を除く」といった条件を先に伝えます。
ここが曖昧だと、計算自体は合っていても運用しにくい関数になりがちです。普段手作業で判断している条件を、そのまま文章にしてみてください。
ChatGPTでスプレッドシート関数を作る5ステップ

関数は、次の5ステップで作ると確認漏れを減らせます。
- 実データではなくダミーデータを用意する
- 列構成と目的を文章で伝える
- 関数と処理内容の説明を依頼する
- シートに貼り付ける
- 正常・境界・空欄の3パターンで確認する
1. 実データではなくダミーデータを用意する
最初から顧客名や売上額が入った表を渡す必要はありません。「顧客A」「10,000円」などのダミーデータに置き換え、列構成と処理条件だけを再現します。
これなら機密情報を入力せずに相談でき、関数の検証用シートとしても使えます。
2. 列構成と目的を文章で伝える
ChatGPTへ、利用環境、列構成、やりたいことの順に伝えます。冒頭で「Googleスプレッドシートで使う関数を作ってください」と指定すると、Excel固有の機能との行き違いを避けやすくなります。
3. 関数と処理内容の説明を依頼する
関数だけでなく、「なぜこの関数になるのか」「各引数が何を表すのか」も説明してもらいましょう。仕組みを理解しておくと、列が増えたときや別シートへ移したときに修正しやすくなります。
Google公式のスプレッドシート関数リストで、提案された関数の構文と用途を照合することもできます。
4. シートに貼り付ける
関数を対象セルへ貼り付けます。いきなり本番の列全体へ反映せず、コピーしたシートや数行だけのテスト表で試す方が安全です。
貼り付け時にエラーが出たら、関数だけでなく表示されたエラー文と、どのセルに入れたかをChatGPTへ返します。
5. 正常・境界・空欄の3パターンで確認する
期待どおりの値が入る通常ケースだけでは不十分です。月末や0件などの境界ケース、入力がない空欄ケースも確認します。
少なくとも3パターンを通し、手計算の結果と一致してから本番へ反映しましょう。 売上・請求・納期に関わる表では、別の人による確認も有効です。
実例|営業日ベースで期限を自動計算する

私は記事管理表で、開始日と必要日数をもとに期限を自動計算する関数をAIへ相談して作りました。土日だけでなく、別シートに登録した祝日も除外する考え方です。
ここでは、実際の運用を説明しやすいように列構成を簡略化します。
- B列:開始日
- C列:必要な営業日数
- D列:計算した期限
- 「祝日」シートのA2:A:除外する休日一覧
ChatGPTに送る質問例
次のように、環境、列、条件、出力形式までまとめて伝えます。
「Googleスプレッドシートで使う関数を作ってください。B2に開始日、C2に必要な営業日数が入っています。D2に、土日と『祝日』シートA2:Aの日付を除外した期限を表示したいです。B2またはC2が空欄ならD2も空欄にしてください。関数と、処理内容の説明を出してください。」
この条件なら、候補は次のようになります。
=IF(OR(B2="",C2=""),"",WORKDAY(B2,C2,'祝日'!A$2:A))
提案された関数の読み方
`IF` と `OR` は、B2またはC2が空欄かどうかを確認しています。どちらかが空欄なら、D2にも空欄を返します。
値が入っている場合は `WORKDAY` が働き、B2の開始日からC2営業日後の日付を計算します。第3引数に「祝日」シートの範囲を指定しているため、登録した休日も除外できます。Google公式では、WORKDAYは「指定された就業日数をもとに終了日を計算する」関数として案内されています。Googleスプレッドシートの関数リスト
テスト用の行で結果を確認する
たとえば、開始日を2026年7月1日、必要日数を3営業日、期間内の祝日なしとした場合、結果は7月6日になります。7月2日、3日、6日の3営業日を数えるためです。
次に、B2を空欄にしてD2も空欄になるか、祝日シートに7月3日を加えると期限が7月7日に延びるかを確認します。こうして条件を一つずつ変えると、関数が運用ルールに合っているか判断できます。
そのまま使える質問テンプレート

質問は毎回ゼロから作る必要はありません。目的に応じて、次の3種類を使い分けます。
| 目的 | ChatGPTへ伝える内容 | 受け取る回答 |
|---|---|---|
| 新規作成 | 利用環境、列構成、条件、例外、期待値 | 関数と説明 |
| エラー修正 | 現在の関数、エラー文、入力例、期待値 | 原因候補と修正式 |
| 簡略化 | 現在の関数、変えたくない結果、使える機能 | 短い式と変更点 |
新しい関数を作るとき
「Googleスプレッドシートで使う関数を作ってください。【列構成】A列は〇〇、B列は〇〇です。【やりたいこと】〇〇の条件に合う行だけを集計したいです。【例外】空欄は除外し、該当なしなら0を返してください。【期待する例】〇〇のとき答えは〇〇です。関数と各部分の意味を説明してください。」
角括弧の部分を埋めるだけで、必要な情報を一通り伝えられます。
エラーを直したいとき
「次の関数をGoogleスプレッドシートのD2に入れると『〇〇』と表示されます。A2は〇〇、B2は〇〇です。本来は〇〇と表示したいです。原因を切り分け、修正後の関数と確認手順を示してください。【現在の関数】〇〇」
エラー文を要約せず、そのまま書くのがポイントです。ただし、数式内にシート名として顧客名や案件名が含まれる場合は、架空の名称へ置き換えます。
式を簡単にしたいとき
「次の関数は結果を変えずに短くできますか。Googleスプレッドシートで使います。変更前後の違いと、短くすることで失われる条件があれば説明してください。【現在の関数】〇〇」
短い関数が必ず優れているわけではありません。引き継ぐ人が理解しやすいか、条件追加に対応できるかも含めて比較します。
ChatGPTが作った関数が動かないときの確認点

関数が動かないときは、ChatGPTへ「直して」と繰り返す前に、次の4点を確認します。
- セル範囲と列名が一致しているか
- 日付や数値が文字列になっていないか
- 絶対参照と相対参照が合っているか
- エラー文を省略せずに伝えたか
セル範囲と列名が一致しているか
ChatGPTが例としてA列を参照していても、実際のシートでは対象がB列かもしれません。貼り付け前に、関数内の列記号、開始行、シート名を一つずつ照合します。
行を追加し続ける表なら、どこまでを参照するかも確認が必要です。範囲を広くしすぎると処理が重くなる場合があるため、運用に合う範囲へ調整します。
日付や数値が文字列になっていないか
見た目が同じ「2026/7/1」でも、日付として認識されているセルと文字列のセルでは計算結果が変わります。金額に「円」が直接入力されている場合も、数値計算ができないことがあります。
セルの表示形式と元データを確認し、必要なら変換方法もChatGPTへ相談します。
絶対参照と相対参照が合っているか
関数を下方向へコピーするとき、参照先も動かしたい部分は `B2`、固定したい範囲は `A$2:A` や `$A$2:$A$100` のように指定します。
一つのセルでは正しくても、コピー後に結果が崩れる場合は、まず `$` の位置を確認しましょう。
エラー文を省略せずに伝えたか
`#N/A`、`#VALUE!`、数式の解析エラーなど、表示内容によって原因は異なります。「エラーになった」だけでなく、表示された文言、現在の関数、入力例、期待する値をまとめて伝えます。
修正案が出たら、元の関数を残したコピーシートで比較してください。
仕事のスプレッドシートを安全に相談する方法

仕事の表には、顧客情報、売上、契約条件、未公開の施策などが含まれます。関数を作る目的だけなら、実データを渡さずに済む場合がほとんどです。
- まずは列名とダミーデータだけを渡す
- ファイルを渡す前に社内ルールと設定を確認する
- 重要な計算は人が検算する
まずは列名とダミーデータだけを渡す
顧客名を「顧客A」、商品名を「商品X」、金額を架空の数字へ置き換えます。列名自体が機密情報を含む場合は、「案件番号」「担当者」のような一般名へ変えます。
関数作成に必要なのはデータの中身ではなく、セルの位置、データの種類、処理条件です。実ファイルをアップロードする前に、文章とダミーデータだけで解決できないか試しましょう。
ファイルを渡す前に社内ルールと設定を確認する
ChatGPTはXLSX、XLS、CSV、TSVなど一般的な表計算ファイルに対応しています。ただし、利用できる機能はモデル、プラン、ワークスペース設定などで異なる場合があります。OpenAI「What types of files are supported?」
個人ワークスペースでは、設定から新しい会話をモデル改善に使わないよう変更できます。一方、設定変更だけで、どの業務データでも入力してよいことにはなりません。所属先の規程、顧客との契約、アクセス権限を先に確認してください。OpenAI「What if I want to keep my history on but disable model training?」
重要な計算は人が検算する
ChatGPT for Excel and Google Sheetsの公式案内でも、数式や変更セルを確認してから利用するよう注意されています。AIは存在しない関数を提案したり、条件を一つ見落としたりする可能性があります。
請求額、税額、納期、在庫など、間違いが業務へ影響する計算は、サンプルでの検証と人の確認を前提にしましょう。
ChatGPTとスプレッドシート関数に関するよくある質問

ここでは、ChatGPTで関数を作るときによくある疑問に答えます。
- 無料版でも作れるか
- ファイルをアップロードできるか
- Excelにも使えるか
- 回答をそのまま使えるか
- GoogleのAI関数と同じか
- 無料版でもスプレッドシート関数を作れますか?
-
通常のチャットで列構成と条件を伝え、関数候補を作ってもらう使い方は無料版から試せます。ただし、利用できるモデル、回数、ファイル機能などは変更される可能性があります。現在の条件はOpenAI公式のプラン案内で確認してください。
- Googleスプレッドシートのファイルをアップロードできますか?
-
ChatGPTはXLSX、XLS、CSVなどの表計算ファイルを分析できます。Googleスプレッドシートを直接扱う方法のほか、XLSXやCSVに書き出してアップロードする方法もあります。機密情報を含むファイルは、社内ルールとデータ設定を確認してから扱ってください。
- Excelの関数も作れますか?
-
Excel用の関数も相談できます。質問の冒頭で「Excelで使う」と伝え、利用しているバージョンも添えてください。GoogleスプレッドシートとExcelでは、対応する関数や挙動が異なる場合があります。
- ChatGPTの回答をそのまま使っても大丈夫ですか?
-
そのまま本番へ反映するのは避けましょう。ChatGPTの回答は候補として受け取り、正常時、境界時、空欄時のテストを行います。特に金額や納期の計算は、手計算や既存結果との照合が必要です。
- GoogleスプレッドシートのAI関数とは同じですか?
-
同じではありません。Googleスプレッドシートの `=AI()` または `=Gemini()` は、対象プランで使えるGoogle側の機能です。本記事は、ChatGPTへ質問してIFやSUMIFSなどの通常関数を作り、シートへ貼り付ける方法を扱っています。Google「スプレッドシートでAI関数を使用する」
まとめ|関数名を調べる前に、やりたい処理を伝えて試す

ChatGPTを使えば、関数名を知らなくても「どの列を使って、どの結果を返したいか」から関数候補を作れます。
大切なのは、列構成、目的、例外条件を具体的に伝えることです。そして、返ってきた式をいきなり本番へ入れず、ダミーデータで正常・境界・空欄の3パターンを確認します。
最初からスプレッドシートの関数を体系的に覚えようとすると、実務で必要な一つへたどり着くまでに時間がかかります。まずは今困っている処理を一つ選び、ChatGPTへ相談しながら必要な関数を覚えていく方が実践的です。
AIの学び方全体を整理したい方は、AIを独学するロードマップも参考にしてください。関数を作っても業務が楽にならない場合は、AIで効率化できない原因と改善方法で、作業の選び方や確認工程を見直せます。
実データを入れずに、まず一つの関数を相談してみる。そこから始めてみてください。
