英国議会委員会がAI法整備を提言、人権保護と単一監督機関を求める
英国議会の人権合同委員会は9月14日、AIによる人権侵害に対応する包括的な法整備を提言しました。重要な判断にAIが使われたことの透明性や、被害への救済を重視し、独立した単一の監督機関も求めています。ただし、これは委員会の提言であり、成立した法律ではありません。今後は政府の対応と具体的な制度設計が焦点です。
利用段階だけでなく、開発から責任を整理
委員会は、現在の英国の法制度が分野ごとに分かれ、AIを使う段階に責任が偏っていると指摘しました。開発から導入まで関係者が多いAIでは、誰がどのリスクに対処するかが曖昧になりやすいため、供給網とライフサイクル全体を対象にした枠組みが必要だとしています。
リスクに応じた義務と、異議を申し立てる仕組み
提言の柱は、リスクに応じて義務の重さを変えることです。危険性が高い用途には厳しい要件を設ける一方、低リスクの利用に過度な負担を課さない考え方を示しました。重大な影響を与える判断では、いつ、どのようにAIが使われるのかを明らかにし、問題があれば異議を申し立てられる仕組みを求めています。
監督機関の設置は提案段階
さらに、監視や基準づくり、違反への制裁を担う単一の独立監督機関を提案しました。報告書は、人が手続きに加わるだけでは実質的な人の関与とはいえないとも指摘しています。企業にとっては、AIの判断を誰が確かめ、必要に応じて修正できるかを見直す論点になります。 今回の発表によって新たな義務が直ちに発生したわけではありません。自社のAI利用箇所や責任者、判断の記録を把握することは準備の一例ですが、将来の法的要件が決まったと捉えず、政府の回答や法案の進展を確認する必要があります。