記事を書き終えたあと、誤字脱字や表記揺れを自分だけで見つけるのは簡単ではありません。内容を知っているほど、脳内で正しい文章へ補って読んでしまうからです。
ChatGPTなどの生成AIを使えば、記事の誤字脱字、助詞、表記揺れ、重複表現を確認し、修正候補を出してもらえます。ただし、記事全体を「自然に直して」と丸投げすると、必要な表現や著者の意図まで変わることがあります。
AIには、修正済みの全文ではなく「該当箇所・指摘分類・理由・修正案」を出してもらい、採用するかは人が決めるのが基本です。事実、固有名詞、数値、出典、検索意図も人が確認します。
この記事では、AIで記事を校正する5ステップと、コピペできるプロンプト3選を紹介します。専用校正ツールの比較ではなく、普段使っている汎用生成AIで公開前の記事をチェックする方法です。AIへ丸投げしても作業が減らない場合は、AIで効率化できない原因と改善方法も参考にしてください。

取得資格
- SEO検定1級
- SEOマーケティングアドバイザー
2020年からブログを始めて、エンタメ系のジャンルは約1年で月間10,000PVほど。2021年にWebライターとして独立しSEOメディア運用ディレクターとして現在も活動中。田舎に戻りHP製作やSNS運用マーケティング支援なども対応。
AIに記事校正を頼む前に分けたい5つのチェック観点

「校正してください」とだけ伝えると、AIがどこまで直すかが曖昧になります。最初に、今回確認したい範囲を次の5つへ分けましょう。
| チェック観点 | 確認する内容 | 例 |
|---|---|---|
| 誤字脱字 | 入力ミス、文字の抜け、変換ミス | 「確認しす」→「確認します」 |
| 表記揺れ | 同じ意味の言葉や数字の書き方 | 「ユーザー」と「利用者」、「3つ」と「三つ」 |
| 文法・助詞 | 主語と述語、てにをは、ねじれ | 「読者が確認できます」など関係を整理 |
| 重複表現 | 同じ語尾、近い内容の繰り返し | 「できます」が連続する |
| 文体・トーン | です・ます調、漢字の量、専門用語 | 一部だけ「だ・である調」になる |
校正は、主に文字や表記上の誤りを正す作業です。一方、内容が事実か、説明に矛盾がないか、出典が適切かまで確認する作業は校閲に近く、文章の順序や言い回しをより良くする作業は推敲に当たります。
生成AIはこの三つを混ぜて処理できますが、依頼する側が範囲を分けないと、誤字の確認中に文章全体を書き換えられることがあります。まずは誤字脱字と表記揺れだけを確認し、必要に応じて重複や読みやすさを別の依頼に分けると、変更理由を追いやすくなります。
コピペできるAI記事校正プロンプト3選

目的に合わせて、次の3つのプロンプトを使い分けます。
- 誤字脱字・助詞を確認する
- 自分で決めた表記ルールへ合わせる
- 重複表現と読みにくい箇所を探す
OpenAIの公式ガイドでも、プロンプトを明確かつ具体的にし、必要な文脈を伝え、出力を見ながら調整する方法が案内されています。OpenAI「Prompt engineering best practices for ChatGPT」
1. 誤字脱字・助詞を確認する基本プロンプト
最初は、内容や文体を変えず、明確な誤りだけを探します。
以下の記事を校正してください。
【確認する項目】
・誤字脱字
・文字の抜け
・明らかな変換ミス
・助詞の誤り
・主語と述語の不一致
【守ること】
・文章全体を書き換えない
・意味、事実、固有名詞、数値を変更しない
・問題がない文は出力しない
・判断が分かれる表現は「要確認」とする
【出力形式】
「原文」「指摘分類」「理由」「修正案」の4列の表で出力してください。
【記事】
ここに校正する文章を貼り付けます。修正案だけでなく原文と理由を出すことで、どこをなぜ変えるのかを比較できます。
2. 表記ルールに合わせるプロンプト
メディアや会社の表記ルールがある場合は、ルールを先に渡します。
以下の記事に、指定した表記ルールと異なる箇所がないか確認してください。
【表記ルール】
・文体は「です・ます調」
・「ユーザー」に統一し、「利用者」は使わない
・数値は半角数字を使う
・英字のAI、SEO、ChatGPTは半角で表記する
・同じ見出し内では「Webサイト」に統一する
【守ること】
・ルールにない言い換えはしない
・固有名詞は勝手に変更しない
・問題がない文は出力しない
【出力形式】
「原文」「違反しているルール」「修正案」の3列の表で出力してください。
【記事】
ここに校正する文章を貼り付けます。実際には、自社で使っている用字用語、漢字とひらがなの使い分け、サービス名の正式表記へ差し替えてください。
3. 重複表現と読みにくさを探すプロンプト
誤字脱字の確認が終わったあと、推敲に近いチェックを別工程で行います。
以下の記事から、読みにくさにつながる候補を探してください。
【確認する項目】
・同じ語尾が3回以上続く箇所
・同じ単語が一文に繰り返し出る箇所
・近い内容を繰り返している箇所
・一文が長く、主語と述語の関係がわかりにくい箇所
・指示語が何を指すかわかりにくい箇所
【守ること】
・著者の主張や具体例を削除しない
・全文をリライトしない
・修正の必要性を「高・中・低」で示す
【出力形式】
「原文」「問題の種類」「必要性」「理由」「修正案」の5列の表で出力してください。
【記事】
ここに校正する文章を貼り付けます。読みやすさには好みも含まれます。「必要性が低」の提案は無理に採用せず、自分の文章らしさが残るかを優先します。
AIで記事を校正する5ステップ

記事を安全に校正し、変更箇所を追えるようにする手順は次の5つです。
- 校正前の原文を保存する
- チェック目的と表記ルールを決める
- 長い記事はH2単位で入力する
- 指摘・理由・修正案を表で出してもらう
- 人が反映し、記事全体を再確認する
1. 校正前の原文を保存する
AIへ文章を渡す前に、校正前の原文を複製します。Googleドキュメントなら版の履歴を残し、WordPressなら下書きを複製するなど、変更前へ戻れる状態にします。
原文を残しておけば、AIの提案を反映したあとに意味が変わっていないか確認できます。複数人で編集する記事では、誰がどの変更を採用したかも記録しやすくなります。
2. チェック目的と表記ルールを決める
一度にすべてを確認させず、「今回は誤字脱字」「次に表記揺れ」のように目的を分けます。メディアの表記ルールがある場合は、具体例と一緒に渡してください。
ルールが決まっていない場合は、AIへ作らせる前に、よく使う用語だけでも人が決めます。たとえば「Webサイト/ウェブサイト」「ユーザー/利用者」「できる/出来る」のどちらを採用するかを揃えます。
3. 長い記事はH2単位で入力する
長文を一度に渡すと、指摘が抜けたり、修正箇所と原文の対応がわかりにくくなったりします。導入文、H2ごとの本文、まとめに分けて確認すると、変更を追いやすくなります。
記事を分割するときは、見出しも一緒に渡します。見出しがあれば、その節の目的や文脈を保ったまま文章を確認しやすくなります。
4. 指摘・理由・修正案を表で出してもらう
AIには修正後の全文ではなく、問題がある可能性のある箇所だけを表で出してもらいます。原文、指摘分類、理由、修正案が並ぶと、人が一件ずつ採用・保留・却下を判断できます。
「問題がない文は出力しない」「判断が分かれる場合は要確認」と指定すると、不要な言い換えを減らせます。
5. 人が反映し、記事全体を再確認する
AIの提案をそのまま一括置換せず、原文と比較して一件ずつ反映します。固有名詞、数字、引用、リンク先は元資料とも照合してください。
最後に記事全体を通読し、見出しと本文のつながり、前後で表記が揃っているか、画像・表・FAQが崩れていないかを確認します。AIの確認結果を確認する工程まで含めて、記事校正です。
AIによる記事校正の実例|指摘と修正案を比べる

架空の記事文を使い、基本プロンプトでどのように確認するかを見てみましょう。
AIを記事制作に活用することで、作業時間を効率化できます。まず最初に目的を決めて、必要な情報をあらかじめ事前に準備します。AIが出した文章は確認し、公開前には人が確認します。
基本プロンプトへ入れると、次のような指摘候補が考えられます。
| 原文 | 指摘分類 | 理由 | 修正案 |
|---|---|---|---|
| 作業時間を効率化できます | 語の組み合わせ | 「時間」は短縮する、「作業」は効率化する方が自然 | 作業を効率化できます |
| まず最初に | 重複表現 | 「まず」と「最初に」の意味が重なる | まず |
| あらかじめ事前に | 重複表現 | 「あらかじめ」と「事前に」の意味が重なる | あらかじめ |
| 確認し、公開前には人が確認します | 同語反復 | 近い位置で「確認」が続く | 内容を見直し、公開前には人が確認します |
ただし、最後の修正案は「確認」が何を意味するかを十分に区別できていません。事実確認と最終承認を分けたいなら、「AIが出した文章は事実と表現を見直し、公開前には担当者が最終承認します」の方が意図を伝えやすいでしょう。
このように、AIの提案は完成文ではなく比較材料です。指摘が正しくても、修正案が記事の意図に合うとは限りません。元の主張を知っている人が、理由を見て最終表現を決めます。
AIだけでは確認しきれない4つの項目

AIが自然な文章を返しても、公開できる記事とは限りません。次の4項目は、人が元資料や実際のページを見て確認します。
| 項目 | 人が確認する理由 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 事実・数値・出典 | AIが誤りや古い情報を自然に書く可能性がある | 一次情報と原稿を照合する |
| 検索意図・読者の疑問 | 読者が本当に知りたい順番は検索結果や現場の声から判断する | 対象KW、競合、問い合わせを確認する |
| 著者の意図・経験 | 体験や主張を削ると記事固有の価値が弱くなる | 著者または編集者が変更前後を比較する |
| リンク・画像・装飾 | チャット上では公開ページの動作まで保証できない | WordPressのプレビューと実機で確認する |
Google検索セントラルも、コンテンツの自己評価項目として、誤字や文体上の問題だけでなく、独自情報、情報源、事実誤認、著者の専門性などを挙げています。Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
AIで誤字を減らしても、内容が読者の疑問へ答えていなければ記事の価値は上がりません。校正と、事実確認・SEO・編集判断を別のチェックとして残してください。
記事をAIへ入力するときの3つの注意点

仕事で作った記事をAIへ入力する前に、次の3点を確認します。
- 機密情報・個人情報を削除する
- アカウント設定と会社のルールを確認する
- 最初はダミー原稿か一部分で試す
1. 機密情報・個人情報を削除する
未公開の商品情報、顧客名、連絡先、契約内容、社内データなど、校正に不要な情報は入力しません。固有名詞は「A社」「担当者B」へ置き換え、数値も文章の確認に不要なら仮の値にします。
公開予定の記事であっても、公開前は機密情報として扱われる場合があります。自分で判断せず、取引先との契約や社内ルールを確認してください。
2. アカウント設定と会社のルールを確認する
ChatGPTには、会話をモデル改善に使わない設定や一時チャットがあります。また、個人向けサービスとビジネス向けサービスでは、データの取り扱い方針が異なります。OpenAI「Data Controls FAQ」、OpenAI「How your data is used to improve model performance」
ただし、設定を変えれば、あらゆる記事を入力してよいという意味ではありません。使用するサービス、アカウント、保存設定、会社のAI利用規程、顧客との契約を確認します。
3. 最初はダミー原稿か一部分で試す
最初から重要な記事を全文入力せず、架空の文章や公開済み記事の一部分で試します。どの程度まで言い換えるか、表が読みやすいか、表記ルールを守れるかを確認してください。
出力に問題があれば、「全文を書き換えない」「問題がない文は出さない」などの条件を追加します。小さな範囲でAIの癖をつかんでから、実務の原稿へ広げます。
AIの記事校正に関するよくある質問

AIで記事を校正するときによくある疑問に答えます。
- 無料版でも記事を校正できるか
- 長い記事を一度に入力してよいか
- AIが書いた記事もAIで校正できるか
- 校正とリライトは何が違うか
- AIの確認後に人の校正は必要か
- 無料版のAIでも記事を校正できますか?
-
通常のチャットへ文章と確認条件を入力し、指摘候補を出す使い方は無料で試せるサービスもあります。ただし、利用できるモデル、文字量、回数などの条件は変わる可能性があります。最新の利用条件は、使用するサービスの公式案内で確認してください。
- 長い記事を一度に入力してもよいですか?
-
入力できる文字量の範囲内でも、導入文やH2単位へ分ける方が指摘箇所を追いやすくなります。最後に記事全体を通読し、離れた箇所で表記や説明が矛盾していないか確認してください。
- AIが書いた記事もAIで校正できますか?
-
校正候補を出すことはできます。ただし、同じAIが作った文章を同じ観点で見直すだけでは、事実誤認や説明不足を見落とす可能性があります。元資料との照合、読者の疑問、著者の経験は人が確認します。
- 記事の校正とリライトは何が違いますか?
-
校正は誤字脱字や表記上の誤りを直す作業です。リライトは、構成、説明、表現などを目的に合わせて書き直す作業を含みます。変更範囲が違うため、同じプロンプトで同時に行わず、校正を終えてから必要な箇所だけリライトします。
- AIで確認したあとも人の校正は必要ですか?
-
必要です。AIの指摘や修正案にも誤りがあり、固有名詞、数値、引用、著者の意図まで保証できません。AIには見落とし候補の抽出を任せ、公開する文章の最終判断は人が行います。
まとめ|AI校正は「指摘を出す工程」に使う

AIで記事を校正するときは、全文を自動で書き換えさせるのではなく、チェック観点を分け、指摘・理由・修正案を表で受け取ります。原文を保存しておけば、意味や著者の意図が変わっていないか比較できます。
誤字脱字や表記揺れの発見はAIに任せやすい一方、事実、数値、出典、検索意図、独自の経験、公開ページの表示は人の確認が必要です。AIと人の担当範囲を先に決めると、確認漏れを防ぎながら校正を進めやすくなります。
AIを仕事で使いながら学ぶ流れを整理したい方は、AIを独学するロードマップも参考にしてください。文章業務の別の実例として、ChatGPTのメール返信プロンプトも紹介しています。
まずは公開前の記事からH2を一つだけ選び、基本プロンプトへ入れてみましょう。AIに指摘候補を出してもらい、人が選ぶ。この小さな工程から始めるのが安全です。
