中小企業がAI導入を検討するとき、「何から始めればいいか分からない」が壁になることがあります。2026年公表の民間調査では、この回答が最多でした。公的調査でも、活用事例などの情報不足が課題として示されています。
この記事では、複数人で働く中小企業・地方の個人経営事業者が、経営者や管理担当としてAI導入を検討する場面を想定し、調査データを基に、最初に何をすればよいかを解説します。すでに個人で生成AIを仕事に使い始めている方は、生成AIを仕事で活用する方法もあわせてご覧ください。

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- SEO検定1級
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2020年からブログを始めて、エンタメ系のジャンルは約1年で月間10,000PVほど。2021年にWebライターとして独立しSEOメディア運用ディレクターとして現在も活動中。田舎に戻りHP製作やSNS運用マーケティング支援なども対応。
中小企業のAI導入は今どのくらい進んでいるか|2026年公表の2つの調査から

中小企業のAI導入状況について、2026年に公表された調査を2つ確認しました。ただし、調査主体・調査方法・対象企業が異なるため、数値をそのまま比較せず、それぞれ別の調査として見てください。
| 出典 | 調査主体の性質 | AI導入率 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月公表)|中小企業基盤整備機構 | 独立行政法人 | 20.4%(検討中を含めると39.0%) | 導入企業の82.6%が生成AIを利用。目的は「業務効率化・作業時間の短縮」87.0%、「品質向上」32.3%。部門別では総務・管理が68.3%で最多 |
| 中小企業AI導入実態調査2026|株式会社Leach | 民間企業(支援先40社超のヒアリング+公的統計の二次分析) | 約12%(同社の推定値) | 導入企業と未導入企業の差は、技術力よりも最初の一歩の踏み出し方にあるとしている |
中小企業基盤整備機構の調査は2025年11〜12月に実施され、1,647社が回答しています。一方、Leachの数値には支援先へのヒアリングや推定が含まれ、中小企業全体を統計的に代表する結果ではありません。
2つの調査は対象や導入の定義が異なります。中小企業基盤整備機構の調査ではAI導入率は20.4%で、導入済み企業では生成AIの利用が82.6%と最多でした。
民間調査で最多だった壁は「何から始めるか分からないこと」

株式会社Leachの調査では、AI導入における最大の障壁は「何から始めればいいか分からない」で62%でした。次いでコスト不安が54%、人材不足が48%となっています。中小企業AI導入実態調査2026|株式会社Leach(PR TIMES)
この結果からは、操作方法だけでなく、「どの業務から」「誰が」「どこまで」試すかという、導入の設計段階にも支援が必要だと考えられます。自社の場合も、まず目的と対象業務を決めると、必要な費用や担当者を具体的に検討しやすくなります。
「分からない」を崩す3つの最初の一歩

導入の入口で迷わないためには、次の3つを最初に決めることが有効です。
- 推進担当を1人決める
- 1つの業務で業務棚卸しを試す
- 最低限のルールを先に決める
推進担当を1人決める
全社で足並みをそろえてから始めようとすると、合意形成だけで時間がかかります。最初は、AI活用に関心がある担当者を1人決め、その人が小さく試してから社内へ共有する進め方の方が動き出しやすくなります。
経営者自身が推進担当を兼ねる場合も、「まず自分が1つ試してみる」という姿勢が、社内の他のメンバーが試すハードルを下げます。
1つの業務で業務棚卸しを試す
いきなり全部門・全業務にAIを導入しようとせず、まず1つの業務を選び、その業務の中でAIに任せられる作業を洗い出します。この洗い出しの手順は、個人事業主向けに1stWritingで紹介している業務棚卸しの考え方がそのまま使えます。詳しい手順はAIを使える業務の見つけ方で紹介しています。
組織で行う場合は、洗い出しを1人で抱え込まず、その業務を実際に担当しているメンバーに「何に時間がかかっているか」を聞くところから始めると、実態に近い棚卸しができます。
最低限のルールを先に決める
ツールを使い始める前に、「何を入力してよいか」「誰が最終確認するか」「うまくいかなかったときにどうするか」の3点だけは、先に決めておくことをおすすめします。
すべてを網羅したルールを作ろうとすると時間がかかるため、最初はA4一枚に収まる程度の最低限のルールで十分です。詳しいテンプレートは生成AIの社内ルールの作り方で紹介しています。
個人事業主のAI活用と何が違うか

1stWritingでは、個人事業主が自分の業務にAIを取り入れる方法も多く紹介しています。中小企業として導入する場合との違いを整理すると、次のようになります。
| 観点 | 個人事業主 | 中小企業(複数人の組織) |
|---|---|---|
| 意思決定 | 自分一人で判断・実行できる | 誰が推進するか、誰が承認するかを決める必要がある |
| 情報共有 | 自分の中で完結する | 使い方やルールを他のメンバーへ共有する必要がある |
| 失敗の影響範囲 | 自分の作業に限定されやすい | 他のメンバーの業務や、顧客対応に影響する可能性がある |
| 最初の題材 | 自分が困っている作業を1つ選ぶ | 組織として重要度が低く、失敗しても影響が小さい業務から選ぶ |
自分一人の業務でAIを試したい場合は生成AIを仕事で活用する方法、組織として複数人で進める場合は、本記事で紹介した3つの最初の一歩から始めることをおすすめします。
コスト・補助金は「まず情報を集める」段階で十分

AI導入のコストや補助金制度が気になる場合も、最初から詳しく調べ込む必要はありません。多くの生成AIサービスには無料または低コストで試せる範囲があるため、まずはその範囲で1つの業務を試し、効果を実感してから、本格的な投資や補助金の活用を検討する順番をおすすめします。
補助金・助成金は、対象となる制度、金額、申請時期が年度によって変わります。この記事では特定の制度名や金額は紹介しませんので、検討する際は中小企業庁や自治体などの公式情報で、公開時点の最新条件を確認してください。
中小企業のAI導入に関するよくある質問

ここでは、中小企業がAI導入を検討するときによくある疑問へ答えます。
- IT担当者がいなくても始められるか
- どのくらいの規模から検討すべきか
- 生成AI以外のAIも検討すべきか
- 失敗を避けるにはどうすればよいか
- 個人事業主向けの記事とどちらを参考にすればよいか
- IT担当者がいなくても始められますか?
-
始められます。中小企業基盤整備機構の調査でも、導入企業の多くが生成AIを利用しています。生成AIには専門的なシステム開発の知識がなくても使えるサービスがあります。最初の一歩は、専用の担当部署を作ることではなく、1人の推進担当を決めることです。
- どのくらいの規模から検討すべきですか?
-
明確な下限の目安はありません。数名の個人経営であっても、1つの定型業務を洗い出すところから始められます。人数が少ないほど、推進担当と経営者が同じ人になりやすく、判断が早く進む場合もあります。
- 生成AI以外のAIも検討すべきですか?
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まずは調査で利用率の高い生成AIから試すことをおすすめします。業務が特定の予測や自動化に強く依存している場合は、その分野に特化したAIを個別に検討する余地もありますが、最初の1つとしては、幅広い業務に使える生成AIの方が試しやすいでしょう。
- 失敗を避けるにはどうすればよいですか?
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全社一斉導入や、重要度の高い業務からいきなり始めることは避けてください。影響範囲が小さい業務で試し、入力してよい情報や確認担当を先に決めておくことで、失敗した場合の影響を小さく抑えられます。
- 個人事業主向けの記事とどちらを参考にすればよいですか?
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自分一人の判断で業務を効率化したい場合は生成AIを仕事で活用する方法、複数人の組織として合意形成しながら進めたい場合は本記事を参考にしてください。両方に共通する業務棚卸しの手順は、AIを使える業務の見つけ方で確認できます。
まとめ|まず1つ、小さく試す

中小企業のAI導入では、費用や人材だけでなく、「何から始めればいいか分からないこと」も課題になります。今回確認した民間調査では、この回答が最多でした。ただし、障壁は企業ごとに異なるため、自社の状況を整理することが大切です。
分からないことを崩す最初の一歩は、推進担当を1人決め、1つの業務で業務棚卸しを試し、最低限のルールを先に決めることです。全社一斉に進めようとせず、影響範囲の小さい業務から始めれば、失敗した場合の影響も抑えられます。
まずは、社内で最初に試す業務を1つ選び、その業務でどんな作業に時間がかかっているかを、担当者と一緒に書き出してみてください。
